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月影劇場柿落とし公演 東京ディスティニーランド一人芝居

月影屋の浴衣を着ていると、街の人々から「あら、あなたお芝居の方?」と聞かれる。ドサまわり中であれば「いえ、旅のものでござんす」などと嘯いてみる。すると、「やっぱりお芝居の人だったわね〜!」と、人々は嬉々として立ち去って行く。

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重要なことを忘れていたのだ。月影屋とは「芝居の衣装係である」ということを。私の脳内で上演されている月影劇場の役者達の為の衣装係であることを。
しかし、「架空の劇場」の衣装係に就任したところで飢え死にするのは目に見えているので(当然だ!)、その衣装=浴衣を生活の為に仕方なく売り歩いてきたのだった。
それが月影屋の正体である。

……こんな重要なことをすっかり忘れていたのだ。

長年続けている所為で馴れ合いのようなものが生じたのだろうか、いつのまにか普通に「浴衣屋」を演ってしまっていたようだ!!!

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彼方此方で狼煙のあがる色褪せた都の路地を「案内人」と歩いていると、「あなた達、お芝居の方でしょ?」と聞かれた。「いえいえ、旅のもので……」と、いつものように答えようとしたのだが、この案内人は正真正銘「お芝居の方」であった。

彼岸の千両役者、東京ディスティニーランド
或いは、
此の世で観ることのできる 彼の世の其々

さあ諸君、
御覧じよ 月影劇場にて
撃ち抜かれよ この運命に
覚悟はよろしいか…!

月影劇場 柿落とし公演
東京ディスティニーランド一人芝居
十月吉日、 夕刻より開演
一等席 一八,〇〇〇円也
於 月影屋富ヶ谷本店

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月影劇場とは…
完全招集制の劇場。客席に着くのに相応しい(a.k.a.真剣勝負になりそうな!)六名の観客は、公演毎に月影劇場支配人の独断で選ばれる。そして、召集がかかった者は万象繰り合わせの上必ず観劇に参じなければならない…!(仮病なども大いに発動し仕事をサボってでも絶対に来てください)
尚、召集されたことは終演の時まで一切他言しないこと。

この公演を観るべき貴方様へ
月影劇場支配人 重田なつきより
令和六年十月吉日